
少年少女レスリング連盟40周年に思うこと
今年で全国少年少女レスリング連盟が創立40周年を迎えました。レスリングを愛する多くの人たちの情熱と努力があって現在の連盟があると実感しています。
この数年はコロナ感染症対策により活動に多くの制約があり、満足できる事業運営ができませんでしたが、確実に組織として進歩前進してきたことは間違いないでしょう。
これまで連盟が取り組んできた事業のうち、特に重要なものは審判員の育成と組織化です。審判団のスキルアップと権威付けは競技大会開催における大事な要件でありますが、現在はほぼ満足できる状態まで整ったのではないかと思っています。
これからの課題は指導者の育成です。学校教育環境、特に中学・高校のクラブ活動が大きく変化しようとしており、これは全国のスポーツクラブにとって大きなチャンスです。これに対応できる指導者と体制を作ることが求められています。
今後は、日本スポーツ協会の公認コーチ取得を推進し、各クラブに最低1名以上の公認コーチを義務付けていきたいと考えております。また、スポーツに対する意識や考え方を基本的に変える必要があるのかもしれません。世の中の仕組みそして人々の考え方が多様化していく中で、これからはそれに順応し得るシステム方法論を探しださなければなりません。
少年少女レスリングは選手育成の場であるとともに人間教育の場であり、勝敗にこだわることなく目的に向かって努力し、ルールを守り練習・試合など様々な体験をもとに正しい人格を育て、心身共に健全な大人になるための環境であるべきだと考えております。オリンピック・世界選手権大会等々で多くの選手がメダルを獲得している日本レスリング界ですが、その土台を本連盟が支えているという自負があり、強化という一面では充分にその役割を果たしていると思います。世界で活躍する強い選手の発掘と育成を行うとともに、人間づくりを進めて行くための努力も惜しまず続けていきます。
これまで、本連盟は順調に成長してきましたが、連盟の置かれる環境も変わりました。本部事務局体制の抜本的な見直しを行うととともに、全国各ブロックの組織強化を進めて力を上げ、日本レスリング協会に多くを依存している財政状況を改善して自己財源を確保する方策を模索しつつ、今後も少年期におけるレスリングの有用性を発信していきます。そして、創立50周年を迎える2033年には本連盟への登録者数を1万人にすべく全力をかけて努力をしてまいります。